agodaではインボイスを発行してもらえない？
海外の宿泊予約サイト（agoda、Expedia、Booking.comなど）では、事前決済にしてしまうとインボイスがどこからももらえない、という場合があります。
agodaの言い分：我々はホテルから仲介手数料を取っているだけで、宿泊という取引はホテルとゲストの契約であり、ホテルがインボイスを発行しなければならない。
ホテルの言い分：事前決済の場合、agodaは料金を受け取っているが、我々は受け取っていない。そのため（インボイス対応の）領収書は発行できない。また、ゲストは決済済みのため、（インボイス対応の）請求書を発行することもできない。
さて、どちらの言い分が正しいと思いますか？
まず、agodaの言い分ですが、これは正しいです。まさにその通りです。
でも楽天トラベルとかの国内予約サイトでは発行してない？と思った方はするどい。
楽天トラベルでは媒介者交付特例というインボイス制度の特例を使って、仲介者ではあるけれども、本来の発行者のホテルに代わって発行しています。
agodaもこれを使えばインボイスの発行はできますが、ホテルが適格請求書発行事業者かどうか確認したり、発行したインボイスを保存したりと、結構手間がかかりますので、原則通りホテルが発行することにしているようです。
次に、ホテルの言い分ですが、これも正しいです。
領収書を発行すればagodaと二重発行になるし、請求書出したらゲストに怒られます。
ではどうしたらいいのかということですが、国税庁が答えを出しています。
【多く寄せられるご質問（令和６年７月26日更新）より】
適格請求書や適格簡易請求書は、その名称を問わず、記載事項を満たしたものであれば、必ずしも領収書や請求書である必要はありません。
～中略～
領収書ではなく、宿泊明細書など適宜の様式により、（インボイス制度の）記載事項を満たした書類を交付することが考えられます。
ということです。
つまり、領収書でも請求書でもない、ただ宿泊しましたという書類に決められた項目（登録番号とか税率とか）を記載すればインボイスとして使えるということです。
ただ現状として全てのホテルがインボイス対応の宿泊明細書を発行している訳ではないので、今のところ予約する時に事前決済でなく現地決済を選択する方が賢明です。
ちなみに、事前決済にしてホテルからインボイスがもらえなかった場合は、出張旅費特例の適用を検討してください。
