評価損と減損の違い
評価損と減損の違いを説明するにあたり、厳密でない部分もありますが、イメージを持ってもらうために簡単に説明しています。
【税務上の評価損と減損】
税務上の評価損とは、もともと売ろうと思っている資産の価値が下がった時に、適正な簿価までBS上の評価を下げて損を出すことをいいます。 棚卸資産の低価法による評価損や売買目的有価証券の評価損は損金算入が認められます。
一方で、もともと売ろうと思っていない資産(固定資産や投資有価証券)の評価損は災害などの特別な場合を除き、損金算入が認められません。
また、税務上では減損は認められていません。会計上で減損損失を計上したとしても、税務申告で全額戻してなかったことにします。
【会計上の評価損と減損】
評価損は、もともと売ろうと思っている資産については税務上とほとんど同じです。
税務上ではもともと売ろうと思っていない資産の評価損は認められませんが、会計上では減損として損失を計上します。
固定資産であれば、その資産を使って将来稼ぐキャッシュフローが簿価を下回る時(投資した金額が回収できないと想定される時)、投資有価証券であれば回復の見込みがないほど時価が下落した場合、などに減損損失を計上します。
税務上では減損損失は認められないので申告上は全額戻すことになりますが、固定資産であれば減価償却費の計上して、または廃棄して除却損を計上した時に損金算入が認められます。投資有価証券は売却(または発行元の倒産など)で損失が確定した時に損金算入されます。
税務上 | 会計上 | |
売買目的 | 評価損が認められる | 評価損を計上する |
売買目的以外 | 認められない | 減損損失を計上する |
以上ですが、ここでも会計上は見込みであっても損失を早く認識し、税務上は損失が確定するまで認識しない、という原則通りになっています。
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